遺伝的な素因をもとに、慢性的に湿疹病変を繰り返す皮膚の病気です。
アトピーという言葉は、「不思議な、奇妙な」を意味する
ギリシャ語のアトピアがもとになっています。
この言葉どおり、残念ながら、いまだに病気の全体像は十分に
解明されていません。
特徴
一般的に継承
【カサカサと乾燥した皮膚、発疹】などがあげられ、
重度のものでは
【表面がジュクジュクになり激しい痒み】に襲われます。
≪ 乳児期 ≫
顔・特にほほを中心に赤斑が現れ、耳や首へと広がる。
かきむしるとじくじくした湿潤性の湿疹になる。
≪ 幼児期 ≫
顔に赤斑が出たり、消えたりするが、次第に顔の症状は
軽くなり、体の皮膚が乾燥しザラザラしてくる。耳たぶのところが、
切れたりすることもある。
≪ 学童期 ≫
手足が鳥肌のようにザラザラする。肘の内側、
膝の裏側に湿疹ができる。乾燥した皮膚に赤斑が現れ、
10円玉ぐらいの塊ができることもある。
≪青年期以降≫
皮膚の乾燥が進み、ゴワゴワに厚くなる。
顔や体が赤くなったり、首のまわりなどに色素沈着して黒ずむことがある。
これは、皮膚バリア機能の低下と関係しているもので、
皮膚の一番上には角質層という薄い膜がありますが、
この膜のおかげで私たちはは内側の水分を保ち、
外からの刺激にも耐えられるわけで、
この膜がなければ生命の維持は困難なくらい重要なものです。
角質層の中でバリア機能に重要なのはセラミドという脂質ですが、
したがって、アレルギー炎症云々の前に、むしろこのバリア機能の
低下が根本問題で、その結果、通常は入ってこない物質が入ってく
るから異常なアレルギー炎症が生じるという考え方もできます。
アトピー性皮膚炎が一番多くみられるのは子どもです。
特に1〜6歳の乳幼児の10〜30%は、
アトピー性皮膚炎に一度はかかるといわれています。
また、最近は成人のアトピー性皮膚炎患者が増える傾向にあります。
アトピー性皮膚炎が発症する原因は、ウィルスなどで感染していく
インフルエンザなどとは違って個人様々「病気の原因」は異なります。
アトピー性皮膚炎とは、「アレルギー体質」を持つ人に見られる疾患
ではありますが、「アレルギー体質」といものは強弱の差はありますが、
全ての人間が保有する体質です。睡眠不足で目の下に隈ができる
飲みすぎた時の嘔吐、有害な食物を食べた場合の下痢などもアレルギー
反応の一つです。
アトピー性皮膚炎とは、主たる病変部が皮膚に現れやすい疾患ですが、
その原因が皮膚に直接あるわけではありません。疾患としての原因は、
皮膚ではなく、生活習慣や環境であることが多いと言えます。
人間の免疫機能は
T型免疫(ウィルスなど外敵を攻撃する) と
U型免疫(アレルギーなど起こして警告する)は、互いに抑制しあっています。
一般的には、T型免疫が強まるとU型免疫が弱まり、
U型免疫が強まるとT型免疫が弱まります。
そのバランスが崩れてアトピー皮膚炎にかかわってきているのです。